菜っぱのおひたし

暮らすこと大好き菜っぱが、おしえて!ひつような!たすかる!じょうほう!(おひたし)をお届けするブログです。

【月一リレー企画】【エッセイ漫画】最近読んだイチオシの本〜薬の魔物の解雇理由編〜

※今回の記事はブロガーのかずきさん↓

kazuki5.com

との月一リレー企画です。

月一で同じテーマでそれぞれブログ記事を書きます。

今月のお題は『最近読んだイチオシの本』です。

同じテーマなのに書く人によって視点が異なる……。そんなそれぞれの違いをぜひお楽しみください。

 

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みなさんこんにちは、菜っぱです。

みなさんは本はよく読みますか?

私はたくさん読みます。基本的に本は飲み物だと思っています(何を言っているのだ?)

 

いや、これは半分冗談なんですが、半分本気なんです。

私にとっては水と同じように、読まないと体調が悪くなる、人生に必要不可欠な栄養分なんですよね〜。

 

ということで今日は私が最近読んだ、イチオシの本、薬の魔物の解雇理由の内容を紹介していきます。

薬の魔物シリーズに出会ったきっかけ

約3年前……会社員生活がどうにも向かず、やっとの思いで退職した私はフリーランスになるぞ! と決めたものの、心も身体もボロボロだったために、どうにも頑張れない状態が続いていました。

 

こんなんじゃ仕事にならないよ……。そんなふうに悲観的で、何もかもうまくできない自分自身にイラつきを覚え始めていたとき、私は気分転換に小説でも読むか……と『小説家になろう』という小説読みなら誰もが知っている、有名小説投稿サイトを開きました。

 

ちなみにそれまでの私は、なろうの小説の中では『本好きの下剋上』が好きで、同じような異世界テイストで、女の子が主人公——でも恋愛が主軸ではない物語があるといいな〜と思っていました。

どうせ読み始めるなら同じようにできるだけ長くて、読み終わるのに時間がかかる物語がいいな……。そう思った私が文字数の長い順で検索をかけると、思わず「あぁ?」と気の抜けた声が出てしまうほど長い長い物語が見つかったのです。

 

全1700篇を超える、どう考えても文字数がおかしい物語……。

それが『薬の魔物の解雇理由』でした。

 

驚くほど緻密な世界観、そして魅力的なキャラクター……これは沼

なるほど……。こんなに長い物語に出会ったのは初めてだ……。

 

自分から長い物語を求めたにもかかわらず、私はその量に若干慄いてしまいました。

でも、こんなに長いってことはきっと世界観が深いんだろうなあ……。そんな期待を胸にサイトを開いた私の目に飛び込んできたのは驚くほど緻密で、美しく、華麗な世界と魅惑的なキャラクター……。

 

え? 待って。この国の省庁と法律と制度の細かさ、この国絶対にどっかにあるよね?

え? この人絶対にいるじゃん。

なんだこの美味しそうな料理は! こっちまで美味しい匂いと湯気が漂ってきそうで飯テロなんだけど〜!

 

一度読み始めると、ページをスクロールする手が止まりません。

……こんなの今までに読んだことがない!

一気に読みたい! 読んでも読んでもまだページがある! 最高か!?

 

薬の魔物の解雇理由はあまりにの素晴らしさに語彙力をなくす、素敵すぎる沼物語だったのです。

 

読み切ったとき、すっかり私はその世界の虜になり、今日も薬の魔物を読むために頑張るぞ! と思った結果、仕事もできるようになっていました。そしていつの間にかボロボロだった体と心が元に戻っていたのです。

 

終わらない物語

すっかりその世界にハマった私。

 

作者の桜瀬彩香先生は執筆スピードがとても早く、一日に一本新しい短編が出ていました。

そのため、私の中ではお風呂に入る時間に今日上がった短編を読む、というのがすっかり習慣化されていました。

 

きっとこの物語は終わらないんだ。

どこまでも広くて、深い物語はまるで日々の暮らしの記録を見ているかのようで、果てなんかありませんから、終わりにする理由もありません。

永遠にこの物語が読み続けられるのだと、私は過信をしていました。

 

しかし、先日、その物語が突然終わりを迎えたのです。

作者の桜瀬先生が天に召された、という出版社からの訃報によって。

 

それを見た時は、もう信じられない気持ちでいっぱいで、何度も、何度も「嘘だ」と信じたくない気持ちでいっぱいでした。

悲しくて悲しくて、何も考えられなくて、仕事も手に付かないような日々が続き……。薬の魔物によって支えられていた私の心が、元の状態に戻ってしまったくらい、ぐしゃぐしゃで、どうしようもない状態が続きました。

 

そうなってから初めて、この物語がいかに私の生活に根付いた物語だったかを知らしめられた気がしました。

 

悲しさで、頭がおかしくなりそうな時、ふと気づくのです。

 

「あれ? この物語、終わってないじゃないかな?」

と。

 

前提として、このお話は残された者が橋を渡り、異世界で暮らす話です。

思い返してみれば、この世界で亡くなった方が主人公たちが暮らすウィームに向かう話もありました。

 

ということは、桜瀬先生も橋を渡られて、ウィームで続きを書いておられるのでは?

 

死んだ後のことは誰にもわかりません。

だからこそ、いろんな可能性が考えられます。

 

死後の世界に何を思っても自由なのです。

私がこの世界で頑張って生きて、天寿をまっとうした時、もしかしたらウィームに足を踏み入れられる可能性もゼロじゃないな。

 

……その時は絶対、たくさんあるに違いない書き溜めを読ませてもらおう!

 

この物語は終わってない。きっとまた読める日がいつか来る。

 

そういう気持ちで待っていれば、悲しいだけじゃない気持ちで日々を暮らせるかな。

考えをあらためた私はそんな風に思えるようになりました。

 

ちょっとファンタジックな考えだけれど、そう考えていた方が救いがありますから。

 

ウィームのように魔法もなければ、魔物もいないけれど、割と楽しくてでも苦しい、そんな現実の世界で天寿をまっとうできた時、きっとまた新しい物語に出会える。その日を楽しみにしながら、この世界で生きていこうと思う今日この頃です。

 

(コラボ記事なのに湿り気の多い文章ですみません。きっとかずきさんのページには楽しい記事が書いてあるはず! そんなかずきさんのブログは明日更新されます。)

 

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